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独立社外取締役
報酬委員会委員長米村 敏朗
筆頭独立社外取締役
bet365 違法議長スティーブン・ヘイズ・デイカス
独立社外取締役
指名委員会委員長山田 メユミ
社外の視点から客観的・建設的な助言・提案を行い
グループの変革とグローバルな成長を後押しする
当社グループは、グループとしてのさらなる成長を目指し、事業構造の改革と並行してガバナンス体制を強化してきました。
このガバナンス面における近年の取り組みを振り返りつつ、グループの今後の在り方や対処すべき課題などをテーマに、社外取締役3名が意見を交わしました。(実施:2024年7月)
米村私は2014年から社外取締役を務めています。就任当時と比べると、近年、bet365 違法における議論の内容は大きく変わりました。以前の議論の中心はつねにお客様、すなわち「お客様のニーズにどう応えるか」に多くの時間を割いていました。セブン-イレブン・ジャパンがここまで成長したのはお客様に対する姿勢が核にあることは事実ですが、これに加えて、近年は各取締役が多角的に、かつ自由に問題意識を表明し、資本市場を含めたステークホルダーの期待に応えるべく活発な議論が行われています。
山田社会がかつてないほどのペースで変化するなか、当社に限らず日本の多くの企業は多様性の確保が求められています。デイカスさんや私が経営監督のメンバーに選任された意図もまさにそこにあると理解しています。bet365 違法に出席するようになって驚いたことは、歴史があり日本の食市場を支えてきた当社グループの各社が、今でも本当に真摯にチャレンジを続けていることです。その姿勢は資本市場を含めたステークホルダーに対しても同様で、真剣に向き合っています。経営チームのメンバーの1人として、“同じ船”に乗せていただいたことを光栄に感じています。
デイカス米村さんが大きく変わったとおっしゃいましたが、まさに同感です。現在15名いる取締役のうち9名は社外取締役が占め、女性が3名、外国籍の取締役が5名になりました。また、この間、社外取締役のみで構成する戦略委員会の設置や筆頭独立社外取締役の選定、bet365 違法議長とCEOの分離といったガバナンス強化策も進めてきました。これらの変化は井阪社長を中心とする現経営チームの意志によるところが大きかったと思いますが、現在の日本企業においてはベストの形に近づいたのではないかと考えています。
デイカス戦略委員会設置の大きな目的は、社外取締役の目で客観性を持って成長戦略を評価・モニタリングすることであり、私たちがまず着手したのは委員会におけるアジェンダを明確にすることでした。委員の皆さんとのミーティングで議論を重ね、1年間の活動アジェンダを作成しました。bet365 違法への提言は委員会での議論を踏まえたものですが、提言を聞いたbet365 違法メンバーの反応はポジティブなものでした。それは、戦略委員会での議論の内容は委員会メンバーではない取締役にも随時共有しており、提言の内容も従来の方針と同一線上にあるものだったからです。その後のbet365 違法での議論もスムーズに進み、スピーディーにアクションプランが策定されました。
山田執行側が課題と認識していたことについてもディスカッションしてきました。さまざまなスキルやバックグラウンドを持つ社外取締役が、しがらみのない立場で客観的に発言して、その結果を執行側に伝えました。私たちは、当社グループが未来に向けてさらに成長していくためのきっかけになればという思いで提言しましたから、意見の相違のようなものはまったくありませんでした。
米村デイカスさんは戦略的思考に優れ、「変える」と決めた時の実行力もあります。その意味で、デイカスさんが議長を務める戦略委員会において、過去を振り返り、現在と将来をしっかり見て、新たな戦略について徹底して議論したことは画期的だったと考えています。
デイカス私からもう一つつけ加えると、先に述べたように多様性が確保されていることが有意義な議論を生んだと思います。多様なバックグラウンドを持つ各メンバーがオープンマインドで互いの意見を表明し合い議論してきました。私も、当社グループはグローバル市場でもっと成長できるポテンシャルがあるものの、これまでと同じやり方で成長を実現することは難しいと考えています。多様性のあるチームで議論してきたことが今後のグループの成長にとってベネフィットになることを期待しています。
山田まず一つ言えることは、これも本当にチャレンジだということです。bet365 違法議長とCEOの分離というのは日本では事例が少なく、それだけに目指すべき形やお手本があるわけではありません。当社なりのベストな形を見出そうと走り始めたところです。しかし、この変革は当社がすべきことの一つだったととらえています。CEOの井阪さんが議長をしていた時は、質疑応答の際にどうしても井阪さんに質問が集中し、井阪さんが回答する構造になりがちでした。今回、筆頭独立社外取締役であるデイカスさんが議長になったことで、回答者が偏ることなく俯瞰的に議事が進行して、議論の幅が広がったと感じています。
米村社外取締役のデイカスさんが議長を務めることの意味は何かと改めて考えると、それは自己観察の能力とモラルを維持することにあると思います。この自己観察の能力とモラルを失うと、組織は必ず崩壊します。大きな権限を持つCEOが、仮にすべてを決めるような状態では自己観察の能力とモラルを十分に維持することはできません。国の統治機構において権力や権限を分離しているのも同様の考えがあり、今後の成長を見据えるうえで今回の決定は必須だったと考えています。
山田私からもう一つ重要な点を補足すると、デイカスさんがリテールビジネスやコンシューマービジネスに精通していることは非常に大きいと考えています。経験に裏打ちされた意見・発言であるがゆえに執行側とも建設的な議論ができるわけです。加えて、グローバルビジネスの経験が豊富なことも重要なポイントです。
米村経験豊富なデイカスさんですが、率直に言って非常に勉強家で、日本の市場や当社グループの事業についてよく勉強されています。そして、バランス感覚にも優れています。
デイカス私は、bet365 違法の議長に就く前から戦略委員会の委員長を務め、筆頭独立社外取締役でした。また、お二人が説明してくださったようにグローバルな小売業での経営経験もあります。それでもまだまだ学ばなければならないことはたくさんあります。そのなかで、私のミッションは当社bet365 違法の進化のペースを加速させること、効率をさらに高めることだと認識しています。加えて重要なミッションは当社グループの成長に寄与することです。我々の将来はCVS事業のグローバルな拡大にかかっており、アクションプランを着実に実行すれば、3年後、4年後には世界トップクラスの企業グループに成長できると思っています。
米村報酬委員会における現在の主要な検討課題は、取締役に対する中長期インセンティブ、すなわち株式報酬の在り方です。海外企業では長期インセンティブの約9割を株式報酬とするケースもありますが、そこまで株式報酬の比率が高まると「企業は株主のためだけの存在か」という議論も起こるでしょう。言うまでもなく株主は重要なステークホルダーですが、お客様や他のステークホルダーとの関係も踏まえて役員報酬の基準や構成を議論する必要があると考えています。
山田変革をスピーディーに実行していくためには最強の経営チームをつくる必要があり、これは1人のカリスマだけでは絶対にできません。未来を見据えた時、必要になる能力や役割、それらが必要になるタイミングを網羅的に議論しなくてはなりません。したがって、トップを含めたサクセッション計画、そしてその策定・推進プロセスを見ていく必要があると私は考えています。スキルマトリックスを見ても分かるとおり、当社役員の構成は多彩で、それぞれが各分野で豊富な経験をお持ちですから、指名委員会各メンバーの意見を聞き、執行側と議論する、執行側やbet365 違法での議論を委員会で共有するというように、伴走する形で委員会を運営することが私の役割だと認識しています。
デイカス世界的に見て日本の小売業は激しい競争にさらされており、その競争のなかで独自の進化を遂げてきました。海外から来た観光客やビジネスパーソンがセブン-イレブンに行くと「何でこんなにおいしいものを、こんなに安く売れるのか」と一様に驚くものです。私は、日本の小売業の優れた点、セブン-イレブンのビジネスモデルは、グローバルなお客様にも必ず受け入れられると思っています。
米村その点で言うと、1974年に1号店を出店したセブン-イレブンは、今や日本の文化になりました。そして、何がそんなに受け入れられたのかと考えるとやはり「食」が充実していることです。日本人ほど食の多様性を好み、食に対する受容力が高い民族はいないのではないでしょうか。そのなかで事業を続けてきたことがコンビニ文化をつくる基盤になりました。世界でもその国・地域に合う食を提供していくことが成長のカギになると考えています。
山田私の場合は子どもの頃から生活のなかにコンビニがありました。しかし、その形態、提供する商品やサービスは大きく変わってきました。公共料金の支払いができる、写真のプリントができる、コンサートのチケットがとれる……“日本人の生活のインフラ”になったわけですが、それをリードしてきたのがセブン-イレブンです。このようなビジネスは、日本以外にはきっとありません。お客様のニーズに応え柔軟に事業を変化させてきた当社グループだからこそ、グローバルでも新たな価値が提供できるはずです。
デイカス今後の成長に向けた当社グループの最大の課題は「人財の育成」、つまり現場のリーダーを育て、個々の従業員をケアしていくことです。小売業にとって最も重要な資本である人財の強化なくしてお客様へ新たな価値は提供できません。
山田日本社会がさまざま課題に直面するなか、日本企業の舵取りは間違いなく難しくなっています。少子・高齢化や地域の過疎化に伴う問題も顕在化している今、いかにbet365 違法の財産である人財を強化できるかというのが突きつけられている課題です。お客様のニーズの変化、社会環境の変化に対応していくためには、従業員の多様な働き方を支援する制度や仕組みの拡充が不可欠です。特に日本企業は女性の頑張りだけでは男性と同じように活躍できない環境をつくってきてしまった側面があります。その意味で、私はダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの「エクイティ」、公正な環境の整備が非常に重要だと考えており、bet365 違法の不断の努力が欠かせないと思っています。
米村人財に関わる課題に加えて、事業ポートフォリオを継続的に見直していくことも必要です。当社グループの事業ポートフォリオは着実に変化してきましたが、企業は有機体であり、つねに“あるべき形”も変化します。また、社会環境の変化を踏まえCVS事業の戦略や運営体制についても今後議論していく必要があると考えています。
米村私は行政機関などで長く危機管理の実務を担当してきましたが、失敗だと思ったことがたくさんあります。実際に事件や事故が起こったわけではないケースでも、「想像と準備が足りなかった」と思う経験をしたことが多くあります。リスク管理の要諦は、起こり得る事態を想像・想定したうえで、いかに具体的な準備をできるかにあります。これは企業の事業運営にも通じるところがありますが、bet365 違法でさまざまなお話を聞いていると執行側の「想像と準備」が不足しているのではないかと思う時があり、今後のために必要な観点だととらえています。
山田私はもっと経営チームのダイバーシティを高めることが必要だと考えています。当社グループのお客様の多くは女性で、事業の現場に行けば多くの優秀な女性従業員が活躍しています。翻って取締役や執行役員の構成を見るとまだ女性の比率は高くはなく、優秀でお客様への強い思いを持っている従業員の皆さんが活躍しきれていないのではないかという課題意識があります。
米村もう1つ指摘したいのは、株主や投資家とのコミュニケーションです。株主・投資家の期待と私たちが目標にしていることは共通していると考えていますが、「目標達成までの時間軸」が異なるケースがあります。だからこそ、コミュニケーションによって私たちの考えをしっかり伝え、率直に意見を交わすべきでしょう。
山田多くのお客様に愛され、より社会に必要とされ、持続的に企業価値が高まるというのは、当社の目指す姿であるのと同時に、間違いなく株主・投資家から期待されていることであると認識しています。そのためにも多くのステークホルダーの声を聞くことが重要で、未来の当社グループの企業価値を高めていくパートナーとして、ステークホルダーとともに成長に向けた道を走って行きたいと思っています。
デイカスこれまでも株主や投資家とのコミュニケーションに力を入れてきましたが、私の意見としてはまだ不十分だと思っています。コミュニケーションの頻度、内容の拡充の両面でさらなる強化が必要です。私たちが何を、いつまでに、どうやって達成しようとしているかを、より積極的に発信していかなければなりません。一方で、この間、多くの株主・投資家から貴重なインプットをいただき、当社グループのビジネスを大きく進化させてきたことも事実です。当社グループは今後も進化を加速させていきます。ステークホルダーの皆様には、ぜひ当社グループのこれからに期待してほしいですね。