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2023年6⽉
bet365 登録グループでは、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の取り組みを、日常生活や学校教育の中でSDGsについて学び、環境・社会課題に高い関心を持つ未来世代の子どもたちとも共有したいと考え、2021年からイトーヨーカ堂のマーチャンダイザー(以下、MD)が東京都内の小学校を訪れて交流授業を行い、一緒に商品開発に取り組んでいます。
昨今、世の中に浸透し始めた性別による
社会的・文化的差別を取り払おうとする
「ジェンダーレス」の考え方は、
未来世代にとっては「当たり前」のこと。
交流授業内の意見交換で得た気づきや視点から、
子ども衣料における従来の商品開発の考えを改め、
これまでの慣習を乗り越えて男女兼用インナーを実現した
イトーヨーカ堂のMDと協働メーカーである
グンゼ株式bet365 登録の皆様にお話をうかがいました。
武田MD 今回、「男女兼用」という視点で子どもたちと一緒に商品開発を進めましたが、当初は違うテーマで取り組みを進める予定でした。初回の交流授業では男女別での商品開発を想定し、男の子用には青系、女の子用にはピンク系のカラーパレットを開発側の決めつけで用意していました。そして当然のように男女別にアンケートを行ったのですが、その際、ある女の子が男の子用の色を指して「私、こっちがいい」と声をあげたのです。すると男の子も「僕はこの色がいい」と、女の子用の色を選ぶ子どもたちが現れました。そこで急きょ、男女共通でアンケートを取り直したところ、なんと半数以上の女の子が男の子用の色を選択。私たち大人が思うよりも、子どもたちの感覚は多様化していると気づかされました。
斎藤様 想像以上の結果に驚きましたね。メーカーでは長年の経験から男の子用と女の子用のカラーを分けていますが、時代が変わり、あらゆる面で男女の区別をしない形になってきていると感じます。たとえば、私の時代は男の子のランドセルは黒と決まっていましたが、今の子どもたちのランドセルはカラフルで、多様化が先行している事例だと思います。
武田MD 自主MDで商品開発をしている他社様のキッズ売場は男女兼用化が進んできていることに私も気づいていたものの、子ども衣料の慣習から男女別で商品づくりを行っていました。しかし交流授業で子どもたちのリアルな声を聞き、衣類の中でも男女の性差が顕著に表れる「肌着」の男女兼用商品の開発を、社内で説得力を持って推進できました。
斎藤様 グンゼでは、お客様のライフスタイルやニーズの変化に合わせた商品提供を事業目標の一つに掲げており、実は数年前から展示会などで男女兼用のキッズ商品を提案していました。背景には、2015年頃から学生制服の男女兼用化が進み、現在では全国の公立高校の44%※が女子スラックス制服を採用しているといった社会変化の波があります。ただ、現状では男女兼用商品を取り扱っていただける店舗が少なく、今回、同じ目的や目標を共有しながらbet365 登録プレミアムの商品開発に携われたことは非常に有意義でした。
私たちは頻繁に購入調査や試着テストを行っていますが、キッズインナーに関しては親御さんを介して意見をうかがわざるを得ず、大人目線のフィルターがかかっている可能性がありました。
交流授業に参加し、子どもたちのリアルな意見が聞けたことは、今後の商品開発において大きな財産になると確信しています。
櫛引様 男女兼用商品をつくるには、一から型紙や仕様を見直していく必要があります。実際の商品づくりで難しかったのは、男の子と女の子で仕様の好みが違ったことでした。
武田MD アンケートを重ねていくと、形や素材の好みには男女の差が出てきました。たとえば、首まわりの襟巾(えりはば)は一般的に男の子は太幅で、女の子は細幅の仕様です。女の子たちに聞くと、やはり「太いのはイヤだ」という反応でした。
櫛引様 男女兼用にするにはどのくらいの幅が適切なのか、その加減をつかむのが非常に難しかったですね。いくつもサンプルをつくって子どもたちに試してもらい、「これなら着たい」と評価を得るまで微調整を繰り返しました。
武田MD 生地に関しても、女の子はやはり「透けるのはイヤ」と気にします。一方で男の子は、「汗をかくから涼しいのがいい」「メッシュがいい」という意見が主流でした。
斎藤様 「透けを防ぐこと」と「涼しいこと」は相反する要望ですが、両方の意見を採り入れなければなりません。そこで、メッシュのような通気性がありながら、透けにくい構造の生地を新たに開発しました。
一般にメッシュ生地に用いられるタック編みは生地の強度が落ちやすいのが難点ですが、ニット編みとタック編みを組み合わせる独自技術で強度を保ちながらメッシュのような生地を実現しています。
武田MD 今回の商品には、「毎日着たい」というキャッチコピーをつけています。子どもたちは気に入ったものを毎日着たがる傾向があり、それを親御さんも買いやすく、リピートしやすい。そこは私自身が商品開発のコンセプトとしてこだわりを持っているところで、子どもたちの反応を見ながら肩部分の縫い目をランドセルが触らない位置にずらすなど細かなことでも妥協することなく、子どもたちの「毎日着たい」を実現するための仕様を追求しました。
斎藤様 肩の縫い目を後ろにずらすと袖と肩部分の接点も変わってくるため、設計上とても苦労しました。また、子どもたちの声は感覚的なものが多く、その感覚をどのように商品に落とし込んでいくかにも苦心しました。
たとえば、「着た時、もっと気持ち良いほうがいい」といった表現も、どのくらいの肌触りの良さを求めているのかを数値化しなければ実現できないわけです。教室で武田MDと子どもたちの会話に耳を傾けながら、頭の中で「それはどのくらいの数値か」、「どの糸なら実現できるか」といったことを考えていました。
武田MD 試行錯誤しながら高い技術力を活かして根気強く取り組んでいただき、最終的に90%以上の子どもたちが合格を出したところで商品の仕様が決まりました。
中川様 直接子どもたちと接したことで、言葉だけでなく表情や反応を見て感じ取れたことがたくさんありました。
武田MD 子どもたちが気持ちや感覚を言葉にするのは難しい。思いを拾いあげるためにも、やはりメーカーの皆様と一緒に子どもたちの反応を目の前で見たことは意味があったと感じています。
武田MD 子どもたちにはサステナビリティの交流授業を通じて、肌着に用いる素材の特徴など、日頃は耳にしないような知識を学んでもらいました。小学生には難しいかもしれない内容も含まれていたので、5回の交流授業を通じて「イトーヨーカ堂のお姉さんと授業をしたな」ということが記憶に残ってくれれば十分という思いでしたが、最後の授業時に「これまで肌着に興味がなかったけど、すごく興味を持ったし、これからは環境にやさしい綿素材をもっと着るようにします」「もっと素材について勉強したい」といった感想を子どもたちが話してくれて感激しました。私たちが思う以上に、子どもたちはしっかりと私たちの話を吸収して考えてくれていたんです。
櫛引様 大量の水や石油資源の消費、工場でのCO2排出などさまざまな面で環境負荷をかけて肌着一枚がつくられていることについて、今回のような交流授業がなければ、子どもたちは興味を持たないのではないかと思います。興味を持つためには知識を蓄積することが大事で、交流授業を受けた子どもたちは大人になっても製造過程や素材に興味関心を持ち、環境に配慮した商品を選んでくれるのではないかと期待しています。
中川様 子どもの頃の経験は身につきやすく、大人になっても続けていけることだと思います。今、小学校でこれほどSDGsの授業に取り組んでいることは、子どもたちが実際の消費者となった時に環境はもちろん、社会課題の解決につながることを自ら考慮して商品を選択購入するといった、購買行動にとても大きな影響があるのではないでしょうか。
斎藤様 私は小学校でこれほど深くSDGsに関する授業をしていることに驚きました。私たちメーカーもこれまで以上に、環境負荷低減につながる取り組みを強化していかなければならないと感じました。
未来世代との取り組みは弊社にとっても大きな課題です。課題や目標を共有できることが本当の意味での協働であり、今後も社会課題を共有しながらbet365 登録・ホールディングス様とともにサステナブルな商品づくりを継続していきたいというのが私たちの願いです。
武田MD ありがとうございます。bet365 登録プレミアムは、すべての商品においてトップメーカー様と「今日も未来も、みんなが笑顔になる」商品づくりに取り組んでいます。今回の取り組みを通じて、課題や目標を共有できる企業同士が協働することで、なし得る目標があることを実感しました。今後もユーザーの声に耳を傾けて商品開発に活かし、今ある商品のさらなるブラッシュアップにも挑戦していきたいと思います。
商品政策展示会を開催
2023年2月22日(水)から24日(金)まで、セブンプレミアム ライフスタイル商品政策展示会「未来へ、想いを伝える糸になる」を開催しました。会場のエントランスにそびえ立った大きなツリーを彩るコットンランプシェードは、グンゼ様の肌着工場での残反や不良品とされた綿布を活用し、子どもたちが作成したもの。作品に込められた一人ひとりの想いがツリーを美しく輝かせていました。また、展示会に立ち並んだ商品は、どれもお客様のリアルな「想い」から生まれた自信作です。ぜひ、お近くのbet365 登録グループの店舗にて、お手に取ってご覧ください。
bet365 登録&アイグループの頼もしいパートナーである子どもたちと二人三脚で挑んだ1年間を動画でご紹介。ぜひ、ご覧ください。
「未来世代との取り組み」
動画はこちら